オス猫の去勢の必要性とメリットを実際の例を出して解説しています。手術の流れや実際にかかった費用、術後の食事や性格の変化など気を付けておきたい注意点なども詳しく記載しています。
猫の去勢の必要性とメリット
オス猫の去勢手術は「望まない妊娠を避ける」ために行いますが、それ以外にも大きな利点があります。
その他に去勢手術をする大きな理由は「ストレス軽減」と「病気の予防」です。
- 望まない妊娠を避ける
- ストレス軽減
- 病気の予防
ストレス軽減
去勢手術を行うことで、発情期以降の欲求不満のストレスを軽減することができます。
猫にとってのストレスは万病のもとにもなるので、繁殖させるつもりがないのであれば、去勢は猫ちゃんのためにもなりますね。
病気の予防
去勢手術をすることによって予防できるオスの病気は以下のようなものがあります。
- 精巣腫瘍(せいそうしゅよう) 対象:オス
睾丸(きんたま)にできる腫瘍 - 前立腺炎(ぜんりつせんえん) 対象:オス
前立腺に細菌が感染して炎症を起こす病気 - 感染症(かんせんしょう) 対象:メス・オス
猫カゼ、猫エイズ、猫白血病ウイルス…など主に猫同士のケンカなどで感染してしまう病気
命にかかわるような大きな病気もあるので、愛猫にずっと健康でいてほしいと願うのであれば、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
去勢のメリット
去勢手術のメリットをまとめると下記。
- 望まない妊娠を避ける
- 病気の予防
- 発情期のストレスをなくす
- 大きな鳴き声の抑制
- スプレー行動の改善
オス猫の場合は発情期を過ぎると、スプレー行動と呼ばれるおしっこをばら撒くマーキングを行います。
普段のおしっこよりもニオイが相当きつく、トイレではないところでまき散らすので、スプレー行動を抑えるために去勢手術を行う飼い主さんもおられるようです。
去勢の時期
一般的には発情する前(6ヶ月齢~10ヶ月齢)に去勢手術を行う方が良いとされていますが、「発情してから」「1歳を過ぎてから」と獣医師さんによって考え方が異なる場合もあるので、信頼できる先生に相談してみましょう。
ちなみに我が家のレオが去勢手術を行ったのは、「生後10ヵ月」と少し遅めでした。
※あくまで目安です | メス | オス |
手術の時期 | 6ヶ月齢~8ヶ月齢 | 6ヶ月齢~10ヶ月齢 |
性成熟の時期 | 6ヶ月齢~12ヶ月齢 | 6ヶ月齢~10ヶ月齢 |
去勢手術を失敗する確率
去勢手術は約10分ほどで完了する簡単な手術です。しかし全身麻酔をかけるというリスクはあります。
手術を失敗する確率を先生に聞いてみましたが、今まで犬・猫の不妊手術をしてきた中で、1頭のワンちゃんだけが高齢のため麻酔から目を覚まさなかったという事例があったと聞きました。
麻酔から目覚めないという確率はゼロではないものの、健康で若い猫の去勢手術の場合は、そういったリスクは限りなくゼロに近づくようです。
確率に直すと数万分の1であるかないかぐらいでしょうか。この辺りは信用できる動物病院で手術をお願いするのであれば、飼い主さんが気負う必要は全くないと思います。
飼い主さんが不安になると愛猫にも不安な感情が移ってしまうので、手術をすると決めても普段通り接してあげてくださいね。
- 健康面に不安がある
- 高齢の猫
去勢手術にかかる費用
オスの去勢手術の費用は10,000~25,000円が相場とされています。
レオの去勢手術に実際にかかった費用は約16,500円でした。
ここに、事前の検査費用が6050円(初診代1080円含む)がプラスされて合計で22,550円でした。
事前の検査費用は5000円程が相場ですが、入念に検査する場合は2万円程費用がかかる場合もあります。
- 去勢手術費用:10,000~25,000円
- 検査費用:約5,000円
助成金が使える場合もある
市町村によっては避妊・去勢手術に助成金が出る場合もあります。
助成金は市町村や都道府県に設けられている獣医師会から降りますが、条件は地域によりバラバラです。
野良猫にしか助成金が出ないものや、オスとメスで金額が違う都道府県もあります。
おおよそ5,000円~10,000円が助成金の相場になるようですが、実際に住まれている都道府県の獣医師会や動物病院に確認してみてもいいかもしれませんね。
去勢手術の流れ
レオが行った去勢手術の流れは以下。
手術前の食事制限は当日の朝のみでした。朝はチュールのようなペースト状のおやつならOKで、固形のフードは控えるようにと言われました。※病院により異なる。
手術当日はほとんど1日病院にいますが、去勢手術自体は5分~10分ほどで完了します。
病院からは「今から手術を行います」と連絡があってから数十分で「無事完了しました」と電話がありました。
去勢手術の場合は抜糸もなく、前日よりも体調が悪そうなら連絡してくださいとのことでした。
病院により、抜糸があったり術後検査や抗生剤が処方されるところもあるので実際に手術をおこなう病院で確認しましょう。
手術後のケア
病院によっては去勢手術後にエリザベスカラーを付けるところもあります。
レオが手術をした病院ではエリザベスカラーも必要なく、当日から普段通りでOKとのことでした。
レオの場合は、本当に普段の様子と変わりなかったので、帰ってきて走り回ったりすることが少し不安だったので、手術当日はケージの中で様子を見ることにしました。
帰ってきたのが夜でしたが、朝ごはん(ペーストのちゅーるのみ)も昼ごはんも食べていなかったので、お腹が空いていたのか夜ごはんはペロっと食べてくれました。
かなり手術をした傷口を舐めているようでしたが、動物病院の獣医師さんが言うには、これは傷口を舐めているのではなく、周りに付いている消毒液のニオイが気になっているとのこと。
去勢で性格は変わる?
「去勢・避妊手術をすれば猫の性格が変わる」と言われていますが、実際に性格が変わることはほとんどないとされています。
よくオスの場合は、去勢手術後に「甘えん坊になった」と聞きますが、実際にはホルモンバランスの関係で攻撃的な部分が抑えられたことで、性格が優しくなったように見えるだけのよう。※個体差がかなりある
数万頭の去勢・避妊手術を行ってきた先生に聞いても「性格が変わることはない」と断言されておりました。
我が家のレオも今以上に甘えん坊になるのでは…と淡い期待をしていましたが、特に性格が変わったと思える節はありませんでした。(もともと甘えん坊なので分からない)
去勢後の食事
去勢手術後に最も気を付けないといけないのが肥満です。肥満は様々な病気になるリスクが高くなるので猫の肥満は注意が必要です。
去勢を行うことで、「メスを見つけないといけない・交尾しないといけない」という欲求がなくなり、エネルギー消費が3割(30%)も減少します。
その反面で食欲は、2割~2.5割(20%~25%)も増加するといわれているので、そのまま食べてしまうと一気に肥満になってしまいます。
低脂肪・低カロリーでしっかりと栄養が取れるフードを与えてあげましょう。
我が家では、普段のご飯を「ピュリナワンの避妊・去勢した猫の体重ケア」に切り替えて与えています。
多頭飼いは横取りにも気を付けて
レオの場合は手術後に本当に食欲増加してしまい、もう一匹のモモのご飯も食べてしまっていることが多々ありました。
決まった量のご飯をあげているつもりでも、多頭飼いしているお家では、他の猫ちゃんのご飯の横取りをしている場合もあるので注意が必要です。
我が家では、いつも誰がどれだけ食べているかと確認できる位置にご飯を置いて対応しています。
まとめ
実は今回の実際に体験したレオの去勢手術では、飼い主側からすると困ったことや大変だったことはありませんでした。
我が家では『モモ(メス)の避妊手術』と『レオ(オス)の去勢手術』どちらも体験しましたが、モモの避妊手術の方が大変でした。
モモの場合は、手術から帰ってきた時には衰弱しきって水も飲まないありさま…回復するまでかなり心配しました。
レオは、手術から帰ってきてからすぐにフードもモリモリ食べて足りまわって元気いっぱいでした。
性格の違いももちろんあったと思いますが、避妊手術と去勢手術は同じ不妊手術といってもまったく異なるものだと感じさせられました。
避妊手術については下記の記事で詳しくまとめているので併せて参考にしていてくださいね。